転職が当たり前の時代になってくると仕事に対する悩みがどんどん増えてきます。実はこれ転職という選択肢が増えたことで余計に悩みが増えてしまうという、悪循環になってしまっているということもあります。

終身雇用が当たり前の時代であれば、そもそも転職という選択肢がありません。もし仕事でうまくいかないとか、悩むことがあっても、なんとかその職場で努力して改善しようという考えに至ります。つまり今の会社で定年まで働くという縛りの中で解決策を考えることになるのです。

大きな会社であれば上司に相談して部署を変えてもらうとか、別の支社や支店に異動させてもらうとかといった方法もありますが、中小企業ではそういうわけにもいきません。結局満足していないながらも、今の職場でなんとか頑張って働くという結論に至る人が多いでしょう。

もちろん終身雇用が当たり前だった時代でも転職をする人はたくさんいました。しかし必ずしもキャリアップの為の転職ではなく、今の職場が嫌で辞めたというネガティブなイメージのほうが大きかったため、転職を繰り返す人に対しては企業側もあまりいいイメージがなかったはずです。

しかし今は転職が当たり前で、転職による悪いイメージはほとんどありません。むしろキャリアアップしてスキルの高い人には転職の度に給料が上がる人もたくさんいます。

とは言え、こうした転職でどんどん成功を積み重ねられる人はごく一部で、実際問題なかなか自分に合った転職先を見つけられず悩み倒している人が多いのも事実でしょう。

 

多くの選択肢から自分に合った転職先を見つけるには？

 

これはネットが普及してあらゆる情報に簡単にリーチできるようになった弊害かもしれませんが、私たちの生活において、例えば30年ぐらい前と比べるとあらゆるものの選択肢が増えてしまったということです。

もちろん人生において選択肢が増えるのはいいことなのですが、選択肢が増えすぎることによって選ばないといけないという作業が出てくるのです。

買物ひとつとってもそうですが、選択肢が増えることで一見豊かになりそうですが、増えすぎてしまうことで新たな悩みが増えてしまうのです。

例えばテニスのラケットを購入しようと思ったら、昔は近くのスポーツ用品店で購入するのが当たり前でした。しかし今は膨大なネット通販の中から自分に合ったものを選ぶことが可能になっています。これだけ選択肢が増えてしまうことで選ぶという作業が非常に困難になってしまうのもまた事実です。

仕事を探すという部分においても全く同じで、転職が一般的でない時代は今の会社で頑張るという選択肢しかないので、たいして悩む必要はありませんでした。しかし転職が普通にできて、しかも転職を歓迎している会社も多く、中途採用に力を入れているところもこれだけ増えてくると、人生の選択肢の幅が大きく広がります。

またテレワークなども普及しているため、少々遠い勤務先であってもテレワークとの併用をすることで通勤時間を考えることなく仕事をすることができるようにもなりました。

そうなると選択肢は無限にあるため余計にいろいろと迷ってしまい、人生の岐路に立たされてしまうのです。

そんな時に使えるのが転職エージェントという存在です。簡単に言えば、転職をしたい人と優秀な人材を探している企業を結び付けるマッチングサービスのような会社ですが、転職にあたって専任のコンサルタントがあらゆる相談に乗ってくれるので、時代のニーズにあった非常にありがたいサービスです。

特に今の仕事を続けながら転職活動をするのはなかなか大変ですし、転職というデリケートな内容であることから誰かに相談に乗ってもらうのも難しいことでもあります。

そんな時はこうした転職サイトをフル活用するのもいいでしょう。

 

まず転職サイトへの登録から

 

キャリアアップしたい、人間関係が合わない、上司と合わない、お給料や待遇に不満があるなどなど、どんな職種でも転職理由を抱えながら働いている人が多いです。中には人手不足で転職しやすい職種もあるので、転職サイト・エージェントの評判を一度チェックしてみて、良いところがあればまずは転職サイトに登録してみてください。

転職サイトでは担当コンサルタントによる転職支援サービスが提供されています。一般公開している求人や一般公開していない非公開求人の情報も持っています。

なぜ非公開にするのかは求人を出す企業や会社などの事情によります。好条件の求人を一般公開すると、応募者がたくさん来てしまい、求める人材を探し出すのが大変になるからという理由が多いです。

非公開求人は今の職場より好条件の職場に移るチャンスが大きいのが魅力です。担当コンサルタントにはわからない事、不安な事なんでも相談できます。一人で転職活動するより頼りになる味方が増えますので、転職されるときは積極的に利用してみてください。

 

スムーズに転職活動をするには

 

転職することが決まったらまずは準備です。1日でも早く転職をしたいという気持ちは分かりますが、ここで急いで失敗しては元も子もありません。まずはしっかりと準備をして転職活動に臨みましょう。

一番最初にやるべきことは情報収集です。自分がどんな業界のどんな職種で働きたいかがすでに決まっている人もいれば、全く白紙の状態の人もいると思います。今はネットでいろんな企業の仕事内容やある程度の給料、必要なスキルなどを調べることができます。

また、大手の会社なんかだとその会社の評判や口コミなんかが公開されているところもあります。

まずは自分なりに幅広く情報収集をして、どんな仕事をやりたいか、どんなスキルを身に着けたいかなどの方向性をしっかり決めることが大切です。

同時にいくつかの転職エージェントにも登録することをおすすめします。転職エージェントは非公開求人なんかも多数持っているため、検索で出てこないような条件のいい求人をたくさんストックしているところもあります。

できれば複数の転職エージェントに登録して、非公開求人をいろいろとチェックしてみるのもいいでしょう。

転職においては自分一人では成立しません。面接官、会社という相手にいかに自分の魅力をアピールし、一緒に働きたいと思わせるのかが大切です。いわば「自己の相対化」、「他者から見た自分の勝負」です。

就職活動では自分がどれだけ頑張ったかではなく、いかにして会社に自分の魅力を伝えるかです。他者とのコミュニケーションの中で、「他者から見た自分」を日頃から確認する習慣を身につけることは大切だと思います。

そういう意味でも転職エージェントに登録して専任スタッフから客観的なアドバイスをもらったり、他者からの評価をしてもらうことも、自分を客観的に見れる機会でもあります。

また、あまり業種や職種にこだわり過ぎるのもよくありません。年齢や今までの職歴にもよりますが、専門分野がないのであれば幅広くいろんな業界を見てみるのもいいと思います。全くイメージしていなかった仕事が意外と自分にはぴったりだったということもよくあることです。

自分の世界に入り切って固執しすぎないように臨機応変に探してみると、思わぬ素敵な会社に巡り合える可能性もあるかもしれません。

キャリア形成は長距離走です。一旦つなぎの仕事に就いて、ゆくゆくはやりたい職種に、という方法もあります。結果を急がず、長いスパンで自分のキャリア形成を考えるというスタンスも賢く転職活動を進めていくコツとして大事な要素だと思います。